Live Report ライブレポート

タンゴの節句2008

前夜祭(4/28)

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  4/28。ケンジ&リリアナ到着!今日からいよいよ始まるツアーのリハーサル。八幡西区の穴生市民センターにて。一年ぶりなんだけれど全然久しぶりという感じがしない。まずはプログラムの検討。そして短くリハーサル。お互いに、そしてそれぞれに、感触を確かめるように新しい曲や確認の必要な曲の打ち合わせ。突然アレンジが変更になる曲もある。
  ここでのリハーサルはいわば出発点の確認。ツアーが始まり進んでいくうちに中身はどんどん変わっていく。それを予期しながらの、準備。
  そして、恒例・リハのウチアゲ。毎回お世話になってる明月の前の看板の柱にはばりばりっとツアーチラシが貼ってあり、興奮。イカの刺身、レバ刺、蒸し豚、サムゲタン、辛味肉スープ、カルビ、タン塩、味付カルビ、ハツ、丸腸、ホルモン、ナムル、キムチ、ハラミ、まだあったっけ。ご飯。そしてマッコリ、ビール。ぷはー。
  ワイワイやりながら、みんな考えてる。早速今日、そして明日、どんな楽しいことをやってお客さんに楽しんでいただこうか。そのことを、ワクワクしながら。
  いよいよ始まる。今回もきっと、すばらしいことが待っている。タンゴが、それに出会わせてくれる。行くぜ!タンゴの節句2008!


豊後高田・旅庵「蕗薹」(4/29)

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 初日は大分県豊後高田、旅庵「蕗薹」での公演。水道水がそのまま、おいしい。地元合鴨米のおにぎりが最高にウマイ。すぐ隣は国宝の「富貴寺」。苔むした石段、静かな空気、木漏れ日。木立にはウグイスの声がこだましている。しかしこの声がとってもはっきりとよく通る、たくましく強い声。負けてたまるか!とばかりに、小さな会場に集まったお客さんの目の前でタンゴが解き放たれ、タンゴの節句2008の幕が切って落とされた。
 お客さんはケンジ&リリアナが登場するたびに溜息、曲が終わって2人がハケるとまた溜息、そしてしばらくザワザワザワ。そうでしょうとも。普通のダンサーならワンステージで2曲程度しか踊らないのだがこのヒトたちは違う。これでもか、と踊りまくる。しかもこの2人、衣装も、そしてなにより表現する世界が一曲ごとに全部違う。そして何より、楽しそう。
 初めは少し固かった客席も曲を追うごとに柔らかく熱くなって。しまいには座敷でスタンディングオベーション。終演後はお客さんほぼ全員がアンケートを書いてくださって、誰もすぐに帰らない。こんなの初めて。そしてみんなうれしそうな顔で帰って行く。「初めてタンゴを目の前で観たけれどヨカッタア!」「タンゴ好きになりました!」口々にそんな風に言いながら。ああ、ありがたいなあ。幸せです。
 ツアーはこうして始まった。明日は、旧太平村・「森の風」。


旧太平村・「森の風」(4/30)

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 前日は「蕗薹」に泊めていただき、温泉に入ってゆっくりして、ツアー開始までに溜まった疲れを取る。おいしいご飯の朝食をいただき、出発。実は出演者スタッフ全員で宿泊するのはタンゴの節句7回目にして初めて。長安寺や「昭和の町」を観光して旅情も味わいながら、午後、いよいよ会場入り。
 「森の風」は大分県と福岡県の県境に近い旧太平村にある。なんと東京ドーム11個分の広大な山あいの敷地。この日の会場は「森の集会場」。普段は披露宴などが催されるホール。
 木の床の会場は音がよく響く。ピアノはスタインウェイ。これもよく響く。でもタンゴのピアノに必要なゴリッとした手ごたえに乏しい。今日はピアニストが少し苦労しそうだ。
 ホールを横長に使ってこの日の会場は設営されている。ステージの前にはダンススペースが設けられ、これを11のテーブルが囲む。照明は前日もそうだったけれど、このスペースを縦横無尽に踊るダンサーの足元にしっかり当るようにセッティングされて。
 プログラムは前日の蕗薹と同じもの。段取りは少しだけ修正。ツアーの初日はプログラムの流れやグアイを確かめながらやらざるをえないので独特の緊張感があるのだけれど、2日目になると、演奏も思い切りがよくなってうねりが大きくなってくる。この変化は今までにないスピード。そしてこの日はお客さんが乗ってくるのも早かった。実は我々は2006、2007と、近くの中津でタンゴの節句公演をやっている。この日のお客さんの中にはすでに何度もわれわれのショウを見てくださっていて、楽しみ方を心得ている方が何人もおられたようだ。リリアナのソロをフィーチャーした「オブリビオン」が深い悲しみを湛え、そこからインストゥルメンタルで明るく美しい「想いの届く日」へ転じる。プログラム中盤のこのあたりから、明らかに拍手がぐっと大きく、強くなってくるのがわかる。ステージと客席が一体になる瞬間。そしてタンゴが全てを支配する瞬間。演奏とダンスの勢いにも、拍車がかかる。クラシック用のチューニングが施されていたスタインウェイも、いつのまにかタンゴの音を出し始めていた。「タンゴなんてお下品な」とお高くとまっていたピアノをねじふせるピアニスト秋元多恵子、恐るべし。終盤にさしかかるあたり、ケンジ&リリアナはダンススペースを離れ、お客さんのテーブルの間へと入っていく。お客さんの嬉しそうな顔。われわれもうれしくて幸せになる。そして、割れんばかりの大喝采の中、公演終了。
 この日も帰っていくお客さんを見送る。お客さんが口々に「ありがとうございました」と言ってくださる。それはこちらが言うべきこと。だから本当に心から「こちらこそ!」これ、演奏後のご褒美です。
 終演後、森の風がおいしいワインを出してくださって、片付けがてら楽屋で乾杯。そして帰り道にひょいと焼肉屋に飛び込み、例によって例のごとく、ファイヤー!明日は一日オフ。そしていよいよ5/2、ウェル戸畑へ!

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ウェル戸畑(5/2)

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北九州はトリオ・ロス・ファンダンゴス発祥の地。本番前から楽屋にはお客さんからのオイシイ差し入れがどんどんやってくる。ああ、地元の愛。元気が出ます!ぐらしあす。
 そして本番開始!最初っからお客さんが「待ってましたッ!」とばかりに迎えてくれる。ああ、地元の愛。盛り上がります、ぐらしあす。楽しんでいるお客さんの顔がステージ上からもよく見える。ケンジ&リリアナはステージをかけおりて、客席の中央を横切る通路へ。実はこの日、この通路はサブステージとして使おう、と決めていた。並んでいた椅子を一列丸ごと撤去。そしてそこにもばっちりあたるように照明が仕込んであって。目の前で突然踊りだしたケンジ&リリアナに後方のお客さんも大喜び!これは楽しそう、とワタクシも思わずそこで弾きまくる。〆はチャルメラのテーマ。ところがこれにすかさずアコーディオンいわつなおこ、そしてピアノ秋元多恵子がハモる。「森の風」あたりから突如始まったこの流れ、どうやら今回のツアーのひとつの目玉になりそう。
 2ステージで全22曲を演奏。普通のダンサーは1ステージあたり2曲ずつがせいぜいだ。でもタンゴの節句ではそういうわけにはいかない。ケンジ&リリアナはその3倍くらい踊る。そう、トリオ・ロス・ファンダンゴスはきっと日本一、いや、世界一ダンサー使いの荒いタンゴバンド!そしてそれに応えて余りあるどころか、どんどんバンドを挑発し、煽り、お客さんをのせてくるケンジ&リリアナ。こんなダンサーはどこにもいない。日本にも、世界にも、きっと。いよっ!宇宙一!
 踊っては着替え、着替えては踊るケンジ&リリアナ。2人の顔から汗が滴り落ちる。戸畑の春はさながら、ブエノスアイレスの夏。お客さんを楽しませるためなら何でもやるよ!とばかりに、2人の踊りも熱を帯び、迫力を増し、底知れぬ深みを見せたかと思うとお客さんの笑いを誘う。こっちも負けてはいられない。演奏に拍車がかかる。そしてお客さんもどんどんのっていく。かくしてバンドとダンサー、そして客席が2部の後半にかけて一体となって大きくうねる。そして終盤の拍手喝采は怒涛のように。そしてアンコール。ケンジ&リリアナにとっては12曲目のダンス。お客さんたちはほんとうに大喜び。
 ありがとう戸畑、北九州。力を、元気をもらいました。
 終演後は黒崎・広安里でうんまい焼肉。さあ、明日は直方だ!

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ユメニティのおがた(5/3)

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タンゴの節句2008、4ヶ所目はユメニティのおがたの円形ホール。音響、照明、そして調律の頼もしいスタッフが今回も各会場で出演者よりも遥かに早く現地入りし、作業をしてくれて。この日はフロアの真ん中を四角いダンススペースにし、お客さんはそれを囲む形。ユメニティのおがたのスタッフも総出で会場作り。もともとステージ上にもダンススペースを取る予定にしていたのだけれども、結局ステージ上はバンドだけのスペースに変更。すでに終わっていたステージ上の照明の仕込みを、バンドがステージ前方に移動するのに伴って急遽変更。すんません、ありがとう。でも、やっぱりなんだかこの形、落ち着きます、ワレワレ。ブエノスアイレスのミロンガスタイル。
そして本番。前夜の地元・北九州で改めてパワーをもらって、いよいよ大きくダイナミックにうねりながらスピードを上げる、タンゴの節句2008。トリオの演奏も、たった一日で大きく変貌を遂げている。3人の演奏はそれぞれに自由にうごめき、息づき、絡み合い、大きく呼吸を共有しながらタンゴを織り成していく。われわれはこの瞬間、演奏で、タンゴを踊っている!そう感じる瞬間。
ステージの進行もライブごとに微調整が施され、余分なものがそぎ落とされ、お客さんがもっともっと楽しめる流れへと整えられていく。
そしてライブ中のお客さんの反応も、前夜の戸畑以上に大きく変化した。「のおがたのお客さんはシャイですしちょっとノリがよくないかもしれません…。どうぞ盛り上げてください」と直方公演の主催者側からは言われていたのだけれど、プログラムが進むにつれ、会場全体がタンゴに巻き込まれていくのがはっきりとわかった。1部の前半では遠慮がちだった会場は、2部の後半にはものすごい熱気、凄まじい拍手喝采とブラボー!の叫びで満ちた。総力を挙げたタンゴの節句2008のパワーが最大に発揮されつつあることを感じた、直方公演。
 何もかもが変わっていく。日を追うごとにダイナミックに変化していく。それがタンゴの節句。生きてるみたい。いや、生きてるんだ。
 この日は、いわゆるウチアゲはナシ。会場で解散しそれぞれ帰路に。お腹がすいたので、小倉組はウェストのうどん屋に入る。ああ、このあっさりした感じ、ええねえ。ケンジさんはこのツアー、ずっとケイタイを手放さない。うどん屋でもミクシー、だって。ぷぷぷ。ケイタイが遠いですぜ、おやっさん。
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番外編・門司港バルク(5/4)

この日はタンゴの節句2008としてのライブはオフ。でも止まらないファンダンゴスとケンジ&リリアナ。今日のライブは門司港。街あげてレトロフェスタの真っ最中、すごい人出。ライブ会場は門司港駅すぐ近くのイタリアンレストラン「バルク」のオープンカフェ。お客さんは飲み食いしながら、タンゴのミニライブをなんとノーチャージで楽しむという趣向。テラスのすぐ外は石畳の歩道を挟んですぐ港。ヨットやクルーザーが波に揺れている。軽くリハをすると、テラスで飲み食いを楽しんでいるお客さんや通りでタンゴの音に立ち止まる人たちの間から早くも拍手が。「いやいや、まだリハーサルですぅ。3時からやりますぅ。」(本番はこんなモンやおまへんで、オカクゴのほどを。うへへ)。


3年前、門司港レトロフェスタのチラシに小さく「トリオ・ロス・ファンダンゴス・アルゼンチンタンゴライブ」と書いてあったのを目ざとく発見し、どんなものか、と見に来て下さって以来、我々のグランアミーゴになってくださったSさんと東京に引っ越したのに全然そんな感じがしないSさんも駆けつけてくださって。こういう客さんに恵まれてワレワレほんとうに幸せ。早速ワインをご馳走になって、えへへー。


「今日はぼくたちはオフだからね。君たちシゴトしなさい」そんなことを口で言ってるくせにケンジ&リリアナはすでに完全に衣装に着替えてメークもばっちり。やる気満々。そりゃそうでしょ。ここでやらなきゃケンジ&リリアナじゃないですよオヤッサン。本番になると2人はオープンテラスから石畳の通りへと飛び出していく。みるみる膨らむ黒山の人だかりの中で踊りまくる2人を見ながら、またまた幸せな気持ちになる。こちらも曲順もその場で瞬時に決めながら、2人を煽るように演奏をたたみかける。戻り際に客席に今回のツアーの半分の3公演をハシゴしてくれたNさんを見つけるや早速引っ張りだして踊るケンジさん。こうやっていつもお客さんを楽しませることを考えている彼らは流石。2人がやっと席に戻ると、今度は誰かが通りで踊ってる。見るとなんとティエンポのミロンガでお馴染みの女性2人。後で聞けばたまたま遊びに来ていたのだという。嬉しいサプライズ!2回目のステージの前にはワタクシも外で少し客寄せ練り歩き。すかさず絡むリリアナ。ストリートやねえ。そしてまた、タンゴ、タンゴ、タンゴ、黒山。なんだかブエノスアイレスみたい。フロリダ通り?終演後はうんまいイタリアンとワインを堪能。花火が夜空を照らして、リリアナさんがおねむになって、また明日。


いよいよツアーは大詰め。気がつけばもう後2日、福岡と下関しか残っていない。早いなあ、今回は。

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福岡・西南学院コミュニティセンター(5/5)

さていよいよ5/5、文字通りのタンゴの節句のその日。今回の福岡公演は西南学院コミュニティーセンター。昨年夏にオープンしたばかりの赤煉瓦を使ったホール。
楽屋でケンジさんは非常に年の離れたパートナーと、踊る。歩き始めたばかりの幼児を、それらしく躍らせてしまうなんて、すごいぜおやっさん。

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福岡公演名物・いわつなおこ母タカコさんの手料理も届く。ちらし寿司、とりの照り焼き、いわしのぬか炊き、切干大根、漬物、…。うまいうまいむしゃむしゃ。
これで元気をつけて、さぁ本番。例年福岡のタンゴの節句の客席の雰囲気は、クール。みんなしっかり観て、しっかり聴く。熱くなるというよりも、じっくり楽しむ。それが福岡だった。でも、今回は違った。熱い。初めから熱い。ライブ開始直後から、声援が飛んでくる。そして一緒にうねりながら、盛り上がり、やっぱり最後に大波が押し寄せた。 なんだこれは一体。
しかもここ数年下関に飛び入ってくれてるリマちゃんが初めて福岡に乱入。彼は10年前にワタクシ谷本が渋さ知らズのテント旅で出会って仲良くなって、不思議にもタンゴで出会い直した仲間。彼のサックスは昨年秋のブエノスアイレスでも本場のタンゴファンを魅了した。最高。こんなに熱く切なく、濁音のブロウで歌いまくるタンゴサックス、いるか?まるでゴジェネチェ。昨夜は彼の「カミニート」がノーマイクで観客を圧倒した。ものすごい反響。誇らしくて胸を張るワレワレ。そうだろう、そうだろう。
タンゴの節句に何年も続けて来てくださってるお客さんが福岡でもどんどん増えてきた。タンゴの節句以外のライブにも何度も足を運んでくださっているお客さんも。みんな楽しむために来ている。ファンダンゴスと一緒に、揺さぶられ、揺り動かされて、元気になるために、来ている。それがはっきり感じられる。
そしてこの夜のトリオ・ロス・ファンダンゴスの演奏にも、これまでになかった何かが感じられた。単純な躍動感とかエネルギーとか、そういう言葉では表現できない「いのち」のようなもの。何かが起きている。われわれ自身に、今、地殻変動のようなものが。何か変だ。何かが動いてる。よくわからないけれど、感じる。ナマズか?ファンダンゴス。
ケンジ&リリアナもすごかった。凄み。汗をほとばしらせながら、クール。熱いのに、静か。冷めてるんじゃなくて、醒めている。全身で見て、聴いて、感じて、考えて、研ぎ澄まされて、踊っている。
プログラムからも余計なものがそぎ落とされて、これまでで最高の流れ。ついにここまで来た。さあ、ここからどうなるタンゴの節句2008!…と思ったら、翌日でなんと最終日。ええッ!もうオシマイ?こんなに早く感じたことって無かった。明日、一体何が起きるんだろう。何に出会い、何がこの身体に刻み込まれるんだろう。
終演後はやっぱり「海鮮」へ。突然停電になる店内。点いたと思ったらまた停電。こんなのも珍しい。リマちゃんにゴマ鯖と海鮮丼をとりあえず食ってもらう。うまいうまいを連発するリマちゃんに対して、なぜか誇らしく胸を張ってそうだろうそうだろう。
そういえば2002年のタンゴの節句の総ウチアゲもここだった。酔いつぶれたヒトの顔にみんなでマジックでいたずら書き。めちゃくちゃやったなあ。あれから7年。オトナになったねえ。相変わらず騒いで店の人に注意されたりしてるノもいるけど。すんまっしぇーん。
さあ、いよいよ千秋楽。いくど、やるど。

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下関・下関酒造(5/6)

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いよいよタンゴの節句2008千秋楽。会場入りする前に、唐戸市場で寿司やらふくの味噌汁やらで腹ごしらえ。リマちゃんはうにソフトにチャレンジ、複雑な表情。沢山の、タンゴの節句目指してきたお客さんたちともすれちがって挨拶を交わす。もうここでタンゴの節句・下関は始まってる。唐戸→下関酒造はタンゴの節句の定番コースになるつつあるかなひょっとして。
本番前、下関酒造・酒庵「空」の前には長い行列。そして入場するなりみんなおいしいお酒とおつまみを買って飲んで食べて上機嫌。東京から、広島から、大分から福岡から、あっちこっちから、ここでのタンゴショウを楽しみにしてるみんなが駆けつける。ツアー最後のここはこうしていつも、お祭。
ライブは最初っからものすごい盛り上がり。ライブの終わりにかけて尻上がりに盛り上がっていった各会場とは別物だこりゃ。わはは。
そして、リマ。昨年11月のプルポズ・タンゴウィークで衝撃のブエノスアイレスソロデビューを飾った彼のぶりぶりタンゴサックスが酒蔵の空気をびりびりと震わせる。彼のタンゴを聴くたびに、仲間がいるっていうことがしみじみ、うれしくなる。2曲目は我らがピアノ・秋元多恵子とのセッションもあって、スペッシャルな下関。
終わりまですごい盛り上がり。酒蔵を揺らす拍手喝采。うれしくって仕方がない、という表情の顔、顔、顔。ありがとう、ほんとうに、ありがとう。
終演後の恒例酒蔵での軽ウチアゲ。おいしいお酒とおつまみが並ぶ。出演者、スタッフ、そしてお客さんたちと一緒に。そして総打ち上げは下到津のイタリアン「イル・ブッフォーネ」で今年も。このツアーを全力で支えてくれたスタッフたちと共に。2時過ぎまで。うまい料理においしいワイン。もう話題は「次」のこと。
こんなのがあったよ、とアンケートの中からリリさんが抜き出した一枚。「下関酒造でファンダンゴスが始まって以来毎年、孫娘、主人と娘の4人で来ております。孫は小学4年生になりました。主人は一昨年に亡くなりました。手術の後も病をおして聴きにきました。今年は次の孫8ヶ月が出来ましたので娘はお留守番となりました。ファンダンゴスはいろいろの想い出を残してくれます。」
われわれは自分たちが楽しいと感じるタンゴをやってきた。自分たちの心や体がうごき、笑い、泣き、歌い踊る音楽をやってきた。でも、こうした声を前にして、われわれは自分たちのためだけにやっているのではなかったのだ、ということに改めて気づかされる。自分たちのタンゴが、聴いてくださっている人たちそれぞれの人生の想い出の物語と重なって、響いている。もはや、それはワレワレだけのものでは、ない。しみじみと、うれしくなる。そして厳粛な思いに満たされ、背筋が伸びる。
ああ、終わってしまった。今回、ほんとに早かった。あっという間だった。そして終わった後、どどどっと疲れがやってきた。ものすごいエネルギーを放出し、放電してたんだなあ、きっと。それを引っ張り出したのはお客さんのアノ期待と楽しみようだったのかもしれない。ワレワレも知らず知らずのうちに全く新しいワレワレになっていたし、東京に帰っていったケンジ&リリアナは、このツアーを経て、ダンスに変化が生じた、と言っている。なんだったんだろう、タンゴの節句2008(撮影班大久保徹によるスバラシイ作品群はコチラ!)。

ありがとう、みなさん。
ありがとう、ケンジ&リリアナ。
ありがとう、リマちゃん。

そして、ありがとう、タンゴ。

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オマケ。(4/30、長安寺にて)

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