村山雅史マーシーさん(マーシー&マギ)前編

村山雅史マーシーさん(マーシー&マギ)前編

”What friends say about the band”「友人たちがこの楽団について言うことにゃ」、ダンサー村山雅史マーシーさんの登場!ついに2023年GWに本格再始動するタンゴの節句をケンジ&リリアナと共にもりあげる素敵なダンスカップル「マーシー&マギ」のマーシーさんから見たトリオ・ロス・ファンダンゴス前編!どうぞお読みください。

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「マーシー&マギさんは、トリオ・ロス・ファンダンゴスさんの演奏で踊ってください。」

2014年の梅雨に入ったころ、奈良タンゴ祭主催、北村さんからのメールには確かにそう書かれていた。

トリオ・ロス・ファンダンゴス。

お会いしたことない。
調べたらちょうどツアー中でこちらにきているというからご挨拶に伺おう。

そうして訪れた横浜エアジンというライブハウス。
窓際の奥、すみっこの方にスタンバイされていた御三方にご挨拶した。
その時の会話は忘れてしまったけど、ライブハウスの雰囲気も相まって御三方ともアングラな色彩をまとってらっしゃるなとなんとなく感じたのを覚えている。

その30分か1時間後。もう虜になってた。
電撃、稲妻、感電。ビビビビビ。
よくわからないけれどそんな言葉ばかりが浮かぶ演奏。とにかくシビれたのには間違いない。

これはあれだ。ロックだ。

それまで魂を内に込めて演奏するのがタンゴだと思っていた。
魂を外に振り乱して演奏するタンゴにワクワクし、あふれ出る感情はどんどん昂っていった。

このライブを観て初めてタンゴの「音楽」を好きになった。好きにしてもらえた。好きになれた。

その約半年後の2015年1月。
第1回奈良タンゴ祭のステージにトリオ・ロス・ファンダンゴスと共に立った。

ファンダンゴスの1曲目が始まる。私たちの出番は2曲目の”Cafe Domiguez”だ。
マギは下手袖、私は上手の袖にスタンバイする。
私たちマーシー&マギにとって初めてのタンゴコンサート。しかも私マーシーの故郷である奈良での舞台。客席には両親や親族がたくさんいる。
変な汗が止まらない。緊張度MAX。

その時だった。上手で演奏していた谷本さんがただならぬ空気を察知したのか袖にいる私に向かって緊張をときほぐそうと笑顔で尻を振ってくれたのだ。

キュウウウウウウウウウン!
惚れてまうやろおおおおおおお!
私の中のチャンカワイが唸りをあげる!

かくして、谷本仰という男は私の憧れになった。
この時の話をしても本人は全く覚えていないと言うが私の脳裏には鮮明に焼き付いている。
オールバック。赤いシャツ。揺れる尻。
目をつぶればこの3つが即座に出てくる。

ファンダンゴスさんとのご縁はこの奈良タンゴ祭で途切れるかと思われたが2016年の夏、憧れの男からの電話で突如復活する。

つづく

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