タンゴの節句2008#8
下関・下関酒造(5/6)
いよいよタンゴの節句2008千秋楽。会場入りする前に、唐戸市場で寿司やらふくの味噌汁やらで腹ごしらえ。リマちゃんはうにソフトにチャレンジ、複雑な表情。沢山の、タンゴの節句目指してきたお客さんたちともすれちがって挨拶を交わす。もうここでタンゴの節句・下関は始まってる。唐戸→下関酒造はタンゴの節句の定番コースになるつつあるかなひょっとして。
本番前、下関酒造・酒庵「空」の前には長い行列。そして入場するなりみんなおいしいお酒とおつまみを買って飲んで食べて上機嫌。東京から、広島から、大分から福岡から、あっちこっちから、ここでのタンゴショウを楽しみにしてるみんなが駆けつける。ツアー最後のここはこうしていつも、お祭。
ライブは最初っからものすごい盛り上がり。ライブの終わりにかけて尻上がりに盛り上がっていった各会場とは別物だこりゃ。わはは。
そして、リマ。昨年11月のプルポズ・タンゴウィークで衝撃のブエノスアイレスソロデビューを飾った彼のぶりぶりタンゴサックスが酒蔵の空気をびりびりと震わせる。彼のタンゴを聴くたびに、仲間がいるっていうことがしみじみ、うれしくなる。2曲目は我らがピアノ・秋元多恵子とのセッションもあって、スペッシャルな下関。
終わりまですごい盛り上がり。酒蔵を揺らす拍手喝采。うれしくって仕方がない、という表情の顔、顔、顔。ありがとう、ほんとうに、ありがとう。
終演後の恒例酒蔵での軽ウチアゲ。おいしいお酒とおつまみが並ぶ。出演者、スタッフ、そしてお客さんたちと一緒に。そして総打ち上げは下到津のイタリアン「イル・ブッフォーネ」で今年も。このツアーを全力で支えてくれたスタッフたちと共に。2時過ぎまで。うまい料理においしいワイン。もう話題は「次」のこと。
こんなのがあったよ、とアンケートの中からリリさんが抜き出した一枚。「下関酒造でファンダンゴスが始まって以来毎年、孫娘、主人と娘の4人で来ております。孫は小学4年生になりました。主人は一昨年に亡くなりました。手術の後も病をおして聴きにきました。今年は次の孫8ヶ月が出来ましたので娘はお留守番となりました。ファンダンゴスはいろいろの想い出を残してくれます。」
われわれは自分たちが楽しいと感じるタンゴをやってきた。自分たちの心や体がうごき、笑い、泣き、歌い踊る音楽をやってきた。でも、こうした声を前にして、われわれは自分たちのためだけにやっているのではなかったのだ、ということに改めて気づかされる。自分たちのタンゴが、聴いてくださっている人たちそれぞれの人生の想い出の物語と重なって、響いている。もはや、それはワレワレだけのものでは、ない。しみじみと、うれしくなる。そして厳粛な思いに満たされ、背筋が伸びる。
ああ、終わってしまった。今回、ほんとに早かった。あっという間だった。そして終わった後、どどどっと疲れがやってきた。ものすごいエネルギーを放出し、放電してたんだなあ、きっと。それを引っ張り出したのはお客さんのアノ期待と楽しみようだったのかもしれない。ワレワレも知らず知らずのうちに全く新しいワレワレになっていたし、東京に帰っていったケンジ&リリアナは、このツアーを経て、ダンスに変化が生じた、と言っている。なんだったんだろう、タンゴの節句2008(撮影班大久保徹によるスバラシイ作品群はコチラ!)。
ありがとう、みなさん。
ありがとう、ケンジ&リリアナ。
ありがとう、リマちゃん。
そして、ありがとう、タンゴ。
オマケ。(4/30、長安寺にて)