アクロスの変
やってきましたアクロス福岡。ここは毎年いい感じ。だいじょうぶって、と思ってたらこれがオオマチガイ。音響、ピアノ、とってもうまくいかない。
とにかくやらねばならぬ。本番前、いわつ母、毎年恒例の手作り楽屋弁当をどっさり届けてくれる。最高にうまい。ありがたや、最敬礼。
でなんとかそれなりに楽しんで演奏し、お客さんにもなんとか楽しんでもらって昼公演を終えると…なにやら不穏な空気が楽屋に。本番中になにやら問題発生らしく、ルイザは完全にメイク落として衣装はバッグの中に完全にしまいこんじゃった。あらら。このままだと夜公演はケンジ&リリアナだけ?えらいこっちゃないかいな。
でもケンジさんすうっと寄ってきて「おんもしろいことになってきたんねええええ。こういうどうなるかわからない状況、楽しいねええええええ」だって。ぞぞぞ。わはは。さすが。
で、夜公演前。アタシ谷本といわつなおこは蕎麦を食いに行く。するとそこにケンジ&プルポ合流。ウマイウマイと蕎麦を食い、プルポはワサビと下ろし金を買い求め、どうやらルイザへのオミヤゲにする模様。プルポ、動く。
で、すんごく仲直りしてすんごく仲良くなっちゃう。ワサビ効果テキメン?どないやねん。よかったよかった。本番中もすごく幸せそうなルイザ。そしてライブ中自分たちの出番でステージにあがり際、われわれのところに寄ってきて一言二言笑わせていったり、ハジケるプルポ。まるで何か憑き物が落ちたかのようにライブを楽しむプルポ。
音響もうってかわってよくなった夜の部。一体ナンだったんだ昼間のアレは。
ということでウチアゲは鮮魚市場会館の「海鮮」。そう、ケンジさんはここでプルポに蛸の刺身を食わせたい、と思いついてこのツアーへの彼らの参加を実現しちゃったんですよ、ええ。何食べたっけなあ。前日に着いた東京からの友人たちも一緒に。とにかく、楽しかった。
番外編【3】和な一日
5/6は楽日前の休日。蕎麦でも食わんとて富野の「花れ」へ。どうしても音を立てて蕎麦をすすることができないルイザ。その後ゲタを買いに行く。抹茶アイスを食べに行く。翌日のライブ飛び入り予定のリマタンゴ広沢リマ哲ちゃんも合流して、なんだか日本人離れした店員みたいになってる。和やかで、静かで、和な、オフ日。
そして千秋楽
やってきました今年もツアーの千秋楽は下関!下関酒造「酒庵・空」でのタンゴショウ!毎年ここは最高の盛り上がりを見せる。おいしいお酒が試飲価格でどんどん呑める。フク寿しやらおでんやら、最高のおつまみがある。
出演者、会場入りしてまずは試飲大会。あれもこれも呑み比べ。何しとるこっちゃら。だってファンダンゴスの名前入り特製ラベル付き吟醸酒があったりするんだもん。ああこりゃこりゃ。すんません裏方スタッフ懸命に働いてくれてる最中に。最低。
リマちゃんに佐藤美由紀ちゃんもやってきた。ちょっと呑んで既に少しおもしろくなっているみゆきちゃん。リマちゃんが盛んに「もう呑むなってば」と止めている。
2人には2部の途中に2曲ほどやってもらうことに。「マレーナ」と「リーベルタンゴ」に決定。そして最後に「ラ・クンパルシータ」のセッションを、という段取りに落ち着く、はずだった。
ところがそのリハ中にハプニング。リマちゃんが何の気なしに吹いた「オブリビオン」に何となくファンダンゴスが即興で合わせたのが運のツキ。ケンジさん飛んできた。「いいねえ、本番でやんなよ」「ええ?そんなムチャな。一度も弾いたことない曲ですよ」「へええファンダンゴスともあろうものがしり込みするんだあ」ぬぬぬ。するとルイザもまろび出てきた手を合わせて懇願する「この曲で躍らせて!お願い!」 「へえええええファンダンゴスともあろうものが」「お願い」「へえええ」「お願い」えええいもう!わかったやりますよやりゃあいいんでしょ。
てことで急遽、ピアソラのオブリビオンをセッションすることに。そしてプルポ&ルイザが踊ることに。そして前日まで彼らが踊っていた「ブエノスアイレスの冬」はケンジ&リリアナが踊ることに。物凄豪華。
そして本番。何も言うことなし。とにかく、とにかく楽しい一夜。最高の、千秋楽。プルポ&ルイザは最高の踊りを見せた。もっとも深く、そしてもっとも楽しんだこの夜の2人。うれしかった。
リマタンゴの2人は最高だった。リマちゃんと出会ったのはテント渋さ知らズにアタクシ谷本が飛び入った1997年のこと。9年を経て、不思議にも我々のツアーにリマちゃんが飛び入り、タンゴを吹いてる。信じられない光景だ。美由紀ちゃんとは二年半前初めて東京ツアーしたときに出会った。彼らが演奏しているのをステージ脇で見ているうちに、涙が溢れた。不思議だなあ、こんなことがあるんやなあ、嬉しいなあ…。夢のようだった。
そしてケンジ&リリアナは、やっぱり最高だ。今回のツアーで最初で最後の彼らの「冬」。ほんとうに美しかった。演奏しながらまた、涙が出た。なんだかホロリホロリの下関。何よりも、彼らは人を幸せな気持ちにしてくれる。その柔軟さ、その懐の深さ、その表現の幅広さ。本当に素敵な人たちだ。
下関で活躍したのは会場に溢れるお客さんをミゴトに収容する客席を設計設営したピカラックのたにせみき(彼女は小倉・博多公演でもミゴトな客さばきをみせた!ブラボっ!)、そしてその手足となって働いた(こき使われた)広島の芝居ユニット「アリノネ」の皆さん。彼らとは3月に広島で「新しい天使 ~月に一番近い丘まで~」という芝居で一緒に組み、そして10月6-8には小倉で再演が決定している。彼らが芝居の舞台設営でなれた腕を振るってくれたおかげで、約190名ものお客さんがこの素敵な千秋楽を楽しむことができたのだ。本当にありがたいこと。
ウチアゲは0次会を現場で、1次会を門司港バルクで、そして2次会を小倉の居酒屋ぶんぶんで。
未明、居酒屋の裏の駐車場で、みんなと別れる。仲間だ。友だ。そして、家族だ。みんなお互いに抱き合って、ありがとう、ありがとう、と繰り返してる。こんなス的な人たちに囲まれて、ファンダンゴスは何て幸せなんだろう、と心から思う。
タンゴの節句ツアー2006、終了。ああ、終わっちゃった。楽しいことはあっという間に終わってしまう。でも、確かな手ごたえが、残ってる。
そいつをもって、ブエノスアイレス。行ってきます!
そしてまた来年も、タンゴの節句をどうぞ宜しく!!